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「シャンシャン、生まれてきてくれてありがとう!と言いたいです。」との女子大生の感情的な街頭コメント。「シャンシャン激痩せ報道で、中国返還前に、長時間輸送は危険じゃないか?」とのファンの不安に満ちた園内インタビューコメント。「シャンシャンは21日午後の飛行機で、成田空港から中国へ旅立ちます。」との某放送局の淡々としたニュースコメント。
あなたはパンダを生んだのか?とツッコミたくなる女子大生だった(笑が、そのくらいの愛着を中国専属のアイドルであるパンダに感じているんだなぁとか、中国に帰ることは認めている?レンタルパンダというか、日本人はレンタル自体に慣れているのかなぁとか、マズゴミは「旅立ちます」って、既成事実としての承認の意味を入れているんだろうかぁとか、僕はそれぞれに小さな疑問を感じざるを得ない。まぁ上記に限らず、どれを取っても、最近のマスコミ中心に、とおり一辺倒の浅〜いニュースしか流れないですねー、残念だぁ。
前回時事批評リンク
残念さを少しでも晴らすために、語っていきたいが、いつものごとく、初めて気づいた事シリーズなので、初めて気づいた事=初気事には強調(黄色太字下線付き)で示していきたい。
まずはシャンシャンは漢字で香香と書く。命名も生まれも日本=上野動物園なのに、中国に帰る運命・さだめなのである。読者の皆さんの中には、もう初気事だらけかもしれないが、僕は世代的に知っていることである。だから、パンダが中国の極、限られた地域にしか自然生息していない生物であるということも、知らないでいるパンダファンもいるだろうが、そこまでに配慮した書き方はしないよ。きっと、冒頭の「生まれてきてくれてありがとう」を発した女子大生は、この辺りの認知がどうなのか疑わしいところであるねー、なぜならシャンシャンの誕生は2017年の話だからだ。
もっと言うと、中国国内の(ジャイアント)パンダ以外はすべて、中国から貸与された、いわゆるレンタルパンダなのである。そして、日本と中国の外交関係とパンダの間には深い結びつきがあるわけで、この辺になると最近の日本人の認知率はさらに大きく下がっていくのだと思う。
前回初気事リンク
「パンダ外交」という言葉があるように、中国の指導者・政府はパンダを厳重に管理して、外交の重要な局面で外国に贈ってきた。贈ってきたと言っても、先ほどから書いているように、基本はレンタルパンダなのである(日本における例外は、最初の2例は無償だった)。今の日本でレンタル彼女やレンタル母さんが流行るのよりも、かーなーり、以前の段階からすごいやり方を生み出していたものだ。高額のお金が動く、その金額たるや・・・・もうレンタルというより、ばいばい=売買の域と僕は思う。シンシン・リーリーで年間一億円!これがベースになっているのだろうか・・・一頭生まれると年間6700万円、一頭亡くなってしまうと、5600万円支払うとのこと!!
一説によると、パンダの年間の経済効果が約300億円あるから、レンタル料は大した額ではないというが、税負担であることや中国との外交がらみであることを考えると、「いいですねー」とは僕個人としては簡単には言えないね(笑 皆さんはどうですか?
そもそもレンタル制を生み出す根本になったのが、中国のワシントン条約加盟(1981年)だったのは知らなかった。絶滅危惧種のパンダは保護対象となることから、「贈与」は考え直され、繁殖・研究を目的とした「貸与」になったという。パンダを守る保全のためということでのレンタル料は名目(めいもく)的だ。より実際的には先述のパンダ外交によって動かされ、生み出されている政治・経済の話であると言ってい良い。
象徴的な例を示すとわかりやすいと考える・・・・
1972年 日中共同声明:カンカン・ランラン来日(贈呈=無償)
1979年 日本から中国へのODA等の開発援助決定:ホアンホアン来日(無償)
1995年 阪神・淡路大震災の後に神戸市がパンダ誘致
2000年 神戸にタンタン・コウコウ来日(貸出+有償)
2008年 戦略的互恵関係の共同声明:シンシン・リーリー来日(貸出+有償)
2011年 東日本大震災の後に中国首相が被災した宮城の子どもたちにパンダのぬいぐるみをプレゼントした。
仙台にパンダ誘致活動?
2018年 日中国交正常化40周年でパンダ誘致活動?
2020年 中国国家主席の来日がコロナ禍で延期
・・・・国際政治の世界は、色んな側面から思惑がからんで、わかりにくいね。
うまく表現できないが、まぁ簡単に言うと、過去の経緯的には、中国に日本から媚びないとパンダは来ないわけだね。ワシントン条約というより、絶滅危惧種としてのパンダの今後を考えるなら、むしろ、パンダの生育・繁殖に一定の功績を収めている日本の動物園をもっと評価して、中国一国に任せきるのでなく、日本でのパンダの生き残りのメリットを追求するのがグローバルシンキングで目指すべき道だと思うが、どうだろう?
シャンシャンの返還日(2023-2-21予定)、成田空港やらで、いったい何人のパンダファンが「ばいばーい(bye bye)」って叫ぶのだろうか?僕は「売買(ばいばい)だね~」ってつぶやくだろうww