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9/18 心ノート(心の音)より。
事実をそのまま、Mへの手紙。
ボクはなぜ莉恵ちゃんがアパートの前まで送られることを拒んだのかということと、「さよなら」のあとの投げキッス、足早に去って行った ことの意味を考えることにした。そうしなければ、ボクの車はunable to control の状態になるだろうと思ったからだ。しかし、そうした理性の働きを無視するように車は動き出した。カーブではタイヤを鳴らし、直線では110km/hをさしていた。帰宅するとボクは胸のあわい痛みと目頭が熱くなるのを覚えた。
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ふとんをひいてもなかなか寝付けなかった。「お互い求めるものが違ったとはいえ、その違いは別れるほどに大きなものだったのか。」「価値観の共有、性愛の関係はふたりの関係の中であまり大きな意味を持っていなかったのか。」「会って話しているだけで胸がわくわくするという感覚は莉恵ちゃんにとってあまり重要でなかったのか。」「莉恵ちゃんのボクへの恋愛感情はどうしてこんな短い期間で消え去ってしまったのか。」考えれば考えるほど泥沼だ。明確な答えなど出せるわけがない。
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自分側からの見解だけで説明し、納得しようとは思わない。ボクは気をまぎらすためにTさんに電話を入れた。Tさんは映画とインド旅行の話を1時間半もしてくれた。翌朝、ボクはコンタクト・レンズをつけられなかった。メガネをかけてK君のところへ行った。K君は言った。「俺はある意味で大人になったと思うね。最近、女性を必要とも思わないんだ。女性とのつきあいは基本的に疲れるよ。」
ボクはK君の分析に同感するところもあったが、女性とのつきあいを避けていることに納得できなかった。<後編へつづく。>
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