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2023年FOD版『純愛ディソナンス』=不協和音を批判したーい!⑨

「置き去りにしたままの過去のほころびがまた心をかき乱す。不安を口にしたらやっと手にした今が消えてしまう気がして、何も言えなくなる。」これまですべてよかった中島裕翔の内言がこの第9話では、全く冴えない。

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 中島裕翔、ピアノ講師への道とか、トラブルあったにせよ、早々にあきらめ、悪徳不動産屋に戻る。決意の弱さ、カッコ悪すぎて、本ドラマの主人公なのに、キャラが光ってこない。他でも、佐藤隆太に気持ちを確認されて、愛未とちゃんと会って話すことを簡単に了承する、はっきりしない言動がある。

 こんな感じだから、プレラストシーンで、吉川愛をずっと好きだったと愛に伝える告白の後、熱い抱擁のみで終了。もうここまでくると、このドラマの脚本家たちに、呆れるしかない。もう、9話ですよ!クライマックスなのに、まだ中島裕翔と吉川愛は抱擁のみですか!?っていうか、前回、前々回のチュッから、むしろ後退してるから、盛り下がるよねー。ここで、視聴率一発逆転への最後のチャンスを逃したねー!

 つまり、熱い抱擁、それ以上のものを求め合う、別な表現なら、一線を越えた男女の仲になること!これが視聴者の期待であり、自然なピークへの歩みでしょ。だけど、そうならないのは、若い男女間において極めて不自然だし、もし、実際に純愛のままの関係性であるのなら、5年間の2人それぞれのゴタゴタがあったことを乗り越えて2人の関係が復活したり、再燃して続くことは普通はない。断言する。よって、このドラマの設定には無理があると言えよう。

 吉川愛も愛のほうで、シェアハウス守り、ナポリタンジャニーズへの無責任な思いやりを見せ続け、「大事な存在だから」とか言ってしまう。決別した母にお金を無心してもらう話をして、弱すぎるメンタル。急に高校時のえいけんの同級生たちと、同窓会。えっ?そんな仲良しキャラだった?しかも、吉川愛が中島裕翔に言った「私とのこと後悔してる?」のセリフに、僕は思わず、「何もないじゃん。受け身のチューをしただけじゃん!」って、テレビの前で突っ込んじゃったよ。

 しかも、この場にいたって、「どうしたらいいのかわからない」っていう吉川愛、なんだか、こんなメンドーなだけの女に思えてきちゃったよ。そんな中、救いは、比嘉愛未だ。彼女だけ際立っていい。現実味のある演技と存在感が増してきた。佐藤隆太の「ホントは書きたいんでしょ」に、「書けないよ、もう。ほしいのに、どうしても手に入らないものがあって、そこに向かって必死にもがいていたから言葉をつむぎだせた。その欲しかったものがなくなったんだから書けるわけない。(新田のことか、)そうよ、悪い?私の世界そのもので、私の生きる原動力だった。(むせび泣き)そうだよバカだよ。彼がいなくなってから、消えることしか考えられない。別にいいじゃない、私一人いなくなったところで、誰も困らないでしょ。」

 加えて、プレラストシーンでは、「今日はありがとう」で別れない、未練の出し方、後ろからすがる愛未、いいね。終わった感しかない『純愛ディソナンス』の中で、唯一の救いになっている。