今週のお題「大発見」
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2024年の1月期スタートのドラマの中で、一番おもしろいのは、『不適切にもほどがある』だろう。TVドラマなどの映像批評を行うにあたって、そもそも論として、僕の中ではリアリティ(現実味)を重要視している。だから、本ドラマのように、タイムスリップとかタイムリープとかいったものが物語のベースにあるものは、基本、好きじゃないのだが、、、、。まぁ、懐かしい感をくすぐったり、笑える演出が巧みだから、その辺りはOMITしようかな。何よりも、世間が面白いと認めている、視聴率を得ているからという人気には逆らえないね。
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主人公のタイムスリッパ―?を演じるのは、小川市郎こと、阿部サダヲ。昭和以前のスピリッツを持つ昭和の中学教師、野球部顧問が令和のコンプライアンス時代になぜか、やって来ることで、周囲から煙たがられたり、逆に本質をズバッと斬る視点を重宝がられたりする。独特の存在感をもち、まっすぐなキラメキを持ってぶつかっていく勢いのある輝きを放っているかのようだ。ファッション含めた外見も行動も昭和なのに...不思議だ。
その娘、ジュンコを演じる河合優実は、80年代のオールド不良ファッションとパッションの色っぽいというかエロっぽくあろうとしている女子そのもの。おバカ系女子高生を演じる河合優実、一気に注目が集まりそうだ。と、書いていて怖くなったが、この前述したお○○系○○校生という言葉、これを、今2024、令和6年の時代に、使うこと自体が大丈夫なのか~っと、コンプライアンスとか、そこまで行かなくても、ブログやGoogleのポリシー違反に関わってこないか?と内省が促される雰囲気があるのである、この『不適切にもほどがある』というTVドラマには。
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ジュンコに並んでの主人公格で、輝きを再確認したくなるのが、令和の世でも過酷な労働環境のTV業界のADである犬島なぎさを演じる仲里依紗である。彼女の既出演ドラマの傾向から行くと、無理してるエロ感出しの役柄(これもまた、なにかの違反にならないか、内省したくなるが、、、)が多かった気がする。が、しかし、今回はものすごく、等身大?いや実年齢や実キャラに極マッチングした?感覚があり、とっても自然なのに、可愛さも美しさも若さもエロさも、かなり発揮されていて、よい雰囲気を醸し出している。
とにかく、いいね~仲なぎさ。ドラマのこの役を演じている仲里依紗=仲なぎさに、実際に関わる中で、彼女と恋に落ちてみたい!とまで思わせる、そんなそこはかとなく伝わってくる魅力がたまらないね。そんな彼女とは、仕事仲間?の秋津真彦と先述の河合ジュンコと昭和の時代に絡む、性根のいい奴だが不良少年のムッチ先輩と二役を演じるのが磯村勇斗。
彼は、色んなドラマにひっぱりだこの超人気俳優になったが、僕的には『今日から俺は』のキレキレで暗闇の過去歴からキレたらさらに何をするかわからないぜ的の恐怖感与えの不良キャラのイメージが強烈すぎて、いつまでもキレ不良イメージを拭えずにいる。まぁ、2枚目も3枚目もイケるし、歌もダンスもまぁまぁイケるっていうのも証明されたね、大発見だ(この宮藤官九郎ドラマで証明されたのは彼だけじゃないが、、、)。
話に脈絡がないままに、長々と単なるドラマのネタバレ記事を綴ってしまっているのに気づいたので、やっと本題の「批判した~い!」に移行したい。ミュージカル仕立てに急展開するところが、やはり好きになれない。しかも、毎回のメインテーマになっていること、例えば、不適切な発言とか、不適切な行為とかの発生状況を被害者視点と加害者視点を見事なまでにスパッと対峙させるように、役者たちが揃って、歌とダンスで論点を提示するのである。もうちょっと論点やメインテーマから外れたところで、おまけ的にミュージカルしてくれたほうが、気楽にというか、エンタメ目線で楽しめると思うのだが、どうだろう?
自分でも書いていて、あまり切れ味が鋭くない気がするので、この辺で筆を置こう。全体的に演出家の宮藤官九郎がかなり良くコントロールしているから批判の言が湧いてこないんだと思う。彼は『不適切にもほどがある』というお題にからめながら、上手に笑いやコメディ仕立てに導いている。というのは、この題名の中の『ほどがある』という表現は、過去の言動が不適切だ!というそのまんまの主張ともとれるし、現代の言動が逆に管理されすぎだともとれるのである。絶妙だね。そして、各俳優たちのコメディアン性を知っていて、そこが光るやり方を、それぞれに把握してるんだろう、やるね、官九郎。
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