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今週のお題「かける」
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こんにちは,皆さん。今回,話題にするのは名作と言わざるを得ない『時をかける少女』ですが,がんばって批判してみるよ。
時をかける少女といっても,アニメ版(7月1日(2022年・令和4年)に金ロで放映された)についてですから,お間違いなく。まずは,世間の時をかける少女ファン?に対して。略語が上手すぎるじゃないかーぁ!誰が一番はじめに決めた?誰が口にした・文字にした?表彰ものだ!(批判になってないが・・・)
「ときかけ」しゃれか?
人生のあるひとくくり,いわゆる青春時代の意味を説きかけている。答えまでだしてないから「説きかけ」だ。しかも,青春時代のある事件の謎を解きかけ,すべてを解決したようには思えないから「解きかけ」だ。あまりにウマすぎる。だじゃれ好きの僕はこの略語の出来映えにむしろ嫉妬する。
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監督については,細田 守氏とのこと。勉強不足のため,コメントをしないことにする。今週末の作品『竜のなんちゃら』を観たら何か浮かぶかも。本筋に戻ると,これは青春モノ,アオハルの作品である。このアニメ作品の解説にはこうゆう一節がある。「まぶしすぎる一瞬の輝き,大切なことを感じよう」と。まぁ,それはよくある常套手段として,夏という季節が取り扱われ,よ~く表現されている。入道雲・蝉の鳴き声・青空・強い光。そして,追加で青春(せいしゅん)と思えるのは,vodafone・ ガラケー折りたたみケータイ・折りたたむ音・メール送信中の、、、の待ち時間,これら全てが僕のようなオッサンには懐かしく思い出されるし,自分の当時のストーリーを勝手に横で想起しちゃってるに違いないわけ。だから反対に,青春をアオハルと読める若いジェネレーションには,ちと伝わらないかもね。大切なこととは,きっと過去を振り返ることなんだと感じるが,そこはあえて言わない・言わせない・語らない・語らせない。だ~か~ら~,「説きかけ」。
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登場人物で何といっても,不思議で不気味な存在が,叔母さんだ。(ここからネタバレに近づくので,まだ鑑賞してない人は鑑賞後に読んで欲しい。)彼女が予言的に語る「まこと,あなたは結果,どっちともとつきあわず,大人になって別な人と付き合う」と。このことの未来は示されていない,つまり,こんなところが謎のまま放置される。「解きかけ」だ。
叔母はまだ語る。「私は待ちのタイプ,でもまこと(主人公),あなたは待ち合わせに遅れてきたら、自分から走って迎えに行くタイプでしょ。」そそのかすのが得意。(笑 影響力ハンパない。この後,まことの行動力ががんがんに発揮されていくが,叔母が待ちのタイプってことは謎まま放置=「解きかけ」だよね。
しかもこの叔母,まことの家族だって登場してるのに,影薄~い家族に対して,この叔母の存在感と影響力,何者?って思わせるくらいだ。彼女の存在自体が謎に満ちたまま,まさに「解きかけ」。
謎めいた転校生,というか謎だらけの,いやある意味ウソだらけのちあき。そもそもそんな奴を好きになる主人公のまことは,まともな人格を持ちあわせているのかと心配になるくらいだ。後半のはらはらドキドキの展開後,彼が救ったこうすけとはやかわさんは過去に事故死していた!? 何と!ちあきは友人たちの死の運命を変えたってことか?・・・ん!?ってな感じで謎解き終わらず。「解きかけ」。ちあきが,この街に来た理由である「観たい絵」はぼやっとしか提示されない・・・謎のままの「解きかけ」。いやぁ,ときかけだらけ。
いよいよ,主人公まことを攻めよう,批判しよう。
まず,ちあき・こうすけのイケメンと一緒に野球する,男勝りの部分を持ちあわせる主人公まこと。両方と恋仲を意識し合う展開だが,僕はこのアニメキャラに女としての魅力をほとんど感じない。スレンダーなだけで色気も可愛さも感じない。ついでに声優の声質にも。ここは実写版との大きな違いだ。胸キュンの恋愛物語なのに,なぜにこんななんだろう?
先述の嘘つきのちあきとの関係において,いつの間にか恋敵になりそうなゆりに,ちあきを好きなことをはっきりと伝えるシーンがあった。ちあきへの思いを自分自身の中で確かめ,この行動に及ぶのだが,もうこれ以上複雑な物語展開にしたくなかったのだろう,告げられた側のゆりは素直になぜか??引き下がるんだね,これが。現実はこうは簡単にいかないと僕は断言したい。
しかも,まことはこの伝達をタイムリープの最中にやるわけ。これは,現実の世界から見ると,伝えるチャンスを逃すと物事がうまく回らなくなる実状に合ってない,甘いやり口がまかり通るイメージを与えかねないと考える。まぁ,作者の意図としては,「やり直しをしたいことは何度でもやり直せる。自分の内面に正直に果敢に挑みなさい。」と主張したいんだろうが,僕には「ん?納得いかない。」という心中のひっかかりが残った。これを丁寧に整理すると,やり直したいと思っても,一旦機を逃すと,どうにも元に戻せないことや自分の思いだけで突っ走っても「あなたがゴネて,マゼてるだけじゃん」と言われかねない,そうゆう種類の物事もあるはずだよなぁと思ってしまうのだ。
ちあきは未来の科学技術の粋である,タイムリープなるもの(自由に時間を行き来できる装置)を自分の身体にチャージしちゃうんだが,そのきっかけ,理科室で拾ったモノ,あれは何?植物?おしえてー?なんかひっかかるーすっきりしないー。これを手にし,有効利用法を知ったまことは,すべての自分の中のモヤモヤを,タイムリープを積極的に活用して解決しちゃう。結果,ハッピーエンドで元サヤ的結末を得ることになるんだが,この一夏の体験でまことは,一体何を得たのだろうか?自分の気持ちを素直に出すこと?自分のこだわりのあることには何度もやり直しチャレンジできるから,何度もやり直しなさいってこと?ヘンテコリンな奇妙な体験を通して,果たして学び取ることができたのだろうか?
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だって,本当にヘンテコリンだよ。タイムリープ自体が,高く飛べば飛ぶほど以前にもどれる仕組みになっていて,ありえない高さからジャンプインしちゃう時もあったし。まことの左腕に浮き出す「90」「 10」「 00」とか読み取りにくいフォントだけど,バレバレの数字に首をかしげるシーンもあった。そんな中でも,ある意味,若さゆえのチャレンジ精神が大切ってことは伝わったのかもしれない。
でも,まことが何度も全力で走って跳ねての飛び降り(リープ)により,時間を過去に戻して反省しまくってイジり散らかした記憶なのか現実なのか記録なのか,そんなものを通して,視聴者とか観衆は真に本アニメ映画の解説にあるような「人生のかけがえのない時間の意味を見つけ出す」ことができたのだろうか?僕は言いたい,それは「否」だと。なぜなら,僕を憤らせているのは!やはりあの叔母!彼女の発した,無責任なアドバイス「うまくいかなかったら、もどしゃいい」だからだ。せめて,「まこと,あなたの今後の生き方次第だよ!」と言って欲しかった。
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