ハッチsunのブログ

Big smile please!

『さよならマエストロ』を批判した〜い!後半R60317

今週のお題「卒業したいもの」

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 いったい、何回、感涙したことだろう。演者の西島秀俊さん自身が、撮影前のインタビューで「台本読んで、毎回のように感動して涙してます。」的なことを言ってたくらいだから、、、一TVドラマファン(いちてれびどらまふぁん)の親父(=僕)としては、もう、涙腺が弱くなってる年齢の功も相まって、溢れ落ちる涙を手で拭わざるを得ないことが続いたねー。

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 なのに、ネットニュースでは、僕の題名以上に批判の嵐でなんだか、腹が立ったね。

「二桁視聴率キープもずっと右肩下がり」とか「少しずつリアルタイム視聴者が減っていく残念な状況」とか「同クールの他の話題作と比較すると人気ない」とか、単純に数字からの批判もあった。「父にずっと仏頂面してる芦田愛菜の使い方が間違っている」とか「父娘間にあった5年前の真実の明かし方がよくない」とか役者の使い方とか、ストーリー展開とか詳細な内容の批判もあったよ。

 

 まぁ、今にして思えば、段々と時間をかけて登場人物の姿を浮き彫りにしていくために必要な事だったとか、後半部に盛り上がりや種明かしを持っていき、フィナーレをとびぬけたように高いレベルに到達させた上で一気に幕引きすることを狙う、制作側の強い意図があったんじゃないでしょうかねー。実際、弟の海くんの語りを通しての浮き彫りテク、上手い演出だと僕は思うけど。

 

 但し!!批判ポイントはここだね!家族の問題をたくさん扱ってる中で、「えぇっ!その年齢で、まだそんな関係のままでよく放置して来れたね~」とツッコミたくなるくらいの、できあがってない関係性が多い設定だったことだ。ちょっと断絶とか、関係不良とか、歩み寄れないまんまとかが多すぎで、かつ、また、その程度が悪すぎた。

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 例えば、離婚宣言される、ママ役の石田ゆり子からも「あの人」呼ばわりされてる、主人公の西島俊平だが、ママは、芸術肌で指揮者のことしか頭に入れられず、日常生活も自律できない西島俊平を思いやり、彼のマネージャー兼子育て担当になることを強いられた。別な面から言うと、ママは生まれながらの自由な絵描きなのに、その天性を抑えて彼の才能の開花に身を捧げ続けた。家族の有り様をめぐって、折り合いのつけようがないままに事態は放置される中で、悪化の一途をたどり、結果、離婚するしかない所まで至っていたのである。「和解がないままの平行線状態」である。離婚する事で、俊平マエストロが、画家ゆり子を自由にさせるやり方しかなかったのか?後味が悪い。

 

 詳細は違っても、大筋同様なのが、西島俊平とその父(柄本明演じる野球バカ監督)にも、指揮者希望の當間あみとその父(娘の可能性を否定するバカ市長)にも、究極は、西島俊平とその娘(芦田愛菜演じる、中二病こじらせバイオリニスト)にもあった。

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 親子間とか家族といった、普通は親密な関係性の中において、もう何年も、互いの主張をゆずらず、ゆずれず、妥協的な融和が図れないでいる例が多すぎて、なんか、イラつく。おそらくは、このストーリーの原作者は、親と断絶してでも、子は自分の信じた道を進むのが正しいと言いたいんだと思う。原作者自身の何か、実体験にも拠っているんだろう。主張はわかるが、この「和解がないままの平行線状態」にはTVドラマ展開としては、イライラさせられる。考えをぶつけ合って、時間をかけて、どこかで折り合いをつけるのが、家族関係の有り様に思うのだが、このドラマの登場人物たちは、あまりに、反目したまま、長期間、互いの間の深いキズにもなっているギャップを放置していたから、イライラ度が増すのだ。

 

 でも、最後の父娘については、すべて、作者、制作側の目論見とおり、まさに、父と娘のアパッシオナートに持っていったね!副題がそのまま、達成された。だから、何といっても、第9回(最終回まえ)がすべてで、ベストのできあがり。涙が禁じえなかった。

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 行く末もちゃんと観ている視聴者ならば、あの人、あの人と言いながら、だんだん回が進むごとに娘の父への印象に微妙な違い、例えば、ハルミフィル楽団のメンバーから慕われる父に尊敬の念が復活してきたりとか、その違いが娘の言動にも現れ始める、この巧みで微細な演技の変容に気づいたはずだ。前述の「父にずっと仏頂面してる芦田愛菜の使い方が間違っている」と、ただ単に、こじらせキャラを演じてるだけとしか見れないフシアナ的な人が多い中であってもだ。芦田愛菜の演技はすばらしいし、使い方も「終わり良ければ総て良し」でしょ。

 

 細かい所、例えば第5回で、芦田愛菜演じる響、母はママなのに、父は夏目俊平とスマホ番号登録してるのを出したり、明らかにマエストロである父が自分の近くで面倒くさい動きをしてることに不満、不機嫌を示しながらも、回を重ねるごとに、響の顔の表情がゆるんで、笑いのシーンも出てくる。その自然な変化の出し方は、芦田愛菜ならではの巧さによる所が大きい。

 

 そして、このストーリーの秀逸な点は、手紙の効果にあると思う。俊平をマエストロの道に自然の流れの中で導いたシュナイダー先生から俊平への手紙。「私が妻の力を失って日本に逃げていた時と、俊平が娘の活力を失って、暗い現状に甘んじている今と、状況は同じだと思う。大事なものを失ったら、とどまってしまって当然だ」との綴り。これを目にした俊平と響に、意識の変容が起こる。特に響においては、父・俊平から送られてきたが、中を見ずに放っていた手紙を読む気になるのである。まぁ、改まった気持ちを伝えるには、やはり手紙だね。そして、その時々の気持ちを文字で綴ること、当たり前のことだが、心の記録は強い表現力を持つし、父から娘に、5年の時を越えて、しっかりと伝わるものがあった!っていうのが目頭を熱くした。もう一度、言う、何といっても、第9回(最終回まえ)がすべてで、ベストのできあがり。涙が禁じえなかった。そして、この物語のフィナーレでよかったのだ。父と娘がピアノとバイオリンで合奏し、これまでの絆を取り戻し、互いに明るくリスタートへ歩み出す。娘の心からの笑顔、芦田響が魅せる豊かな表情には、一視聴者(いちしちょうしゃ)の僕は勝手に父親として一緒に歓喜し、西島俊平に同化して、このうえない安心と満たされた感に浸るのだった。

 

 でも、このドラマの題名は、『さよならエストロ』。さよなら、サヨナラ、グッバイ、シーユーと誰がマエストロに言うのか、かなり初めのほうから結末が見えていた気がする。バレバレで、そのまますぎる展開だが、エストロ西島俊平と交流したみんながみんな、最終的には納得して彼を海外での彼にふさわしい戦場に送り出す気持ちになるところが、また感動的であったね~。

 

   

 

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